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Limited lover15








類にエスコートされて会場に入った
つくしは、改めて道明寺司という人間の凄さを
見せつけられた様に思う。


「もうかなりの人間に囲まれてるな……
つくし、お腹空いてない?」

類がどこか遠くを見つめるつくしの耳元で
優しく囁いた


つくしは顔と同じくらい赤く染まった耳を
片手で押さえながら類を睨む

「睨んでるつもり?」

笑いながら聞いてくる類に
せめてもの反抗に聞こえる様にため息を吐く


しかし、そこは長い付き合い

類はそんな事は気にも留めず、料理が並ぶ
テーブルへつくしを案内する


「どれにする?」

類から顔が映るほど綺麗に磨かれた
白の皿を受け取ったつくしは先ほどの事は
すっかり忘れて目の前の料理に目を奪われた。


「綺麗だね」

さすがは世界のメープルホテル。

つくしの言葉に、これが当たり前の世界で
育った類は「そう?」と首を傾げた。


「作り手の気持ちが込められてる」

つくしはそう言って自分のお皿にローストビーフを1枚取って、いただきます。と呟いた


「んー柔らかくて美味しい」
満面の笑みを浮かべて食べるつくしに
類も「良かったね」と笑う。



つくしは全く気づいてないが、類は背中に刺さる
視線にいい加減嫌気が差す


お前に頼まれたから連れてきて
やったんだろ?と伝えるように
つくしが食べ物夢中になっている隙を見て
司を睨み返した


類の視線の向かう先が自分では無いことに
気付いた司が気まずそうに視線を反らした。


彼の隣には真っ赤なドレスを着た女が立っていた。



















「は?お前ふざけてんのか?」

司は西田を睨み付けながら言葉を投げた。

「社長命令です」

直接誘うことこそ出来なかったものの
類と静の協力でつくしは会場に来る。

静は後から来るようになっていて
然り気無く類から司へつくしが渡される
ようになっていた。

今回は正式なパートナーでは無いが
司が連れて歩けばそれだけで目立つ

つくしが自分の恋人だと周知に知らしめるには
充分だった。


それが何故、当日になってパートナーが
勝手に決められているんだ?


あからさまに不機嫌になった司に
西田は表情を崩すこと無く、楓からの指示を伝えた。


「次のプロジェクトでどうしても
協力して頂かなければならない会社のご令嬢なので仕事としてパートナーを務めるように。と」


「……仕事って言えば俺がはいって言うとでも
思ってんのかよ」


自分には結婚したい相手が居ると伝えてあった

何か勘違いはしていたみたいだが


「悪いが、無理だ。お前だって知ってんだろうが」

そこに、扉がノックする音が聞こえ
司は無視をしようとするが

「副社長」

西田が仕事モードに切り替わる

司はチッと舌打ちすると

「入れ」


返事をすると、秘書らしき男と
いかにもな女が入ってきた。


身に付けてる宝石以上にお金が費やされたで
あろう、胸や顔を自信満々に晒す女に吐き気がする


「更科マユリでございます。
本日はよろしくお願いいたします」


付いてない日はとことん付いてないのが人生だ。

けれど、嘆いて悲観する時間があるなら
状況を打破する方法を考えた方が遥かに
有意義だ。







類と笑い合うつくしの姿に苦しくなる

どんなに目の前の相手との会話に集中していても
無意識に視界の端には必ずつくしを捕らえていて

気がつけば彼女の姿を探している
自分に苦笑してしまう。


「司様?」

隣の女に名前を呼ばれて現実に戻された時だった


「道明寺さん」


ついてない日はとことんついてない。


司は背後に立つ男の方へと振り向いた。





綺麗な女性をエスコートして現れた
司を見て、なぜか苦しさを覚えた。


この感情が何なのか解るから余計に苦しい


一瞬、目があったアイツはアタシから
すぐに視線を反らして、彼女はとても
嬉しそうに隣で笑っている。


「気になる?」

「え?」

司を見ていた事を類に気付かれて
若干気まずくなりながらも「バカなこと言わないで」と言葉を返した。


「婚約者かも」

類は絶対にあり得ないと思う

趣味が悪すぎる。

「司は女の趣味悪くないよ」

「?類も彼女が好みなの?」

「怒るよ。司には本命がいるから」

「そ、うなんだ………」

つくしは「へぇー」と言いながら
首を縦に動かすと、再び料理に視線を戻した

類の言葉に泣きそうになってしまう
自分が情けない。

バカみたい。
絶対に好きにならないと想ってたのに
下唇を無意識に噛んでしまう。

アタシは遊び相手どころか浮気相手だった
というわけだ。

「類、アタシそろそろ」

帰る

そう言おうとした時、背後から聞き覚えの
ある声が聞こえた


「お久しぶりです。花沢さん、つくし」


「順平………」


あの時と変わらない人懐っこい笑顔を浮かべる
彼の後ろには、司とパートナーの女性が立っていた


「類、牧野、よく来てくれたな」

司が女から離れてこちらに来る

「こちらこそ。面白い組み合わせだね」

「仕事を頂きまして」

「元気そうで何よりだ」

つくしの変わりに類が返事をして場を繋ぐ

「つくし?気分悪いの?」

無理して笑うつくしに気付いた順平が彼女に
手を伸ばすと、司が二人の間に入る

「牧野、水飲むか?」

「あ、はい。大丈夫です」

「無理はよくないわ、司様私が一緒に」

「大丈夫です!!1人で帰れますから!」

「そうだね、司に挨拶出来たし俺達は帰るよ」

「ごめんなさい、類」

「良いんだ、俺が無理に誘ったから
すまない司、また連絡する」

つくしの背中に手を添えて
出ていこうとする類の肩を司が掴む

「今日は無理だ」

「………悪い」



二人の会話を聞きながら
社会人失格だと、つくしは自分を責めていた。


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2 Comments

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2018/12/08 (Sat) 02:39 | EDIT | REPLY |   

ch(つくしんぼ)  

( 〃▽〃)


た****様

お仲間!!!!!
切なくなってましたか?!
次で挽回になるかな( ;∀;)
わかりますわかります(*´ω`*)←解るんだ

いつも読んで頂いてありがとうございます!!

2018/12/08 (Sat) 14:40 | EDIT | REPLY |   

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