FC2ブログ

BLACKSECRET(初恋)2












朝起きて、何気なくつけたテレビから
流れる映像を見てアタシはリモコンを落とした


「え?え?」

そこに、スマートフォンが
揺れて着信を知らせる

「もしもし?」

『牧野か?!お前今大丈夫か?』

「あ、うん……家だから
それより、道明寺………これ昨日のだよね」

つくしの問いかけに
司が気まずそうに『すまない』と謝る

「何でアンタが謝るのよ!!アタシこそ
ちょっと考えればわかったのに」

司はアイドルやモデルのように人気がある。
他の3人もだが、彼の人気は群を抜いていた。

「てかさ、アンタ、これ否定しないと
アタシがアンタの初恋の相手みたいに
言われてるよ」

スマホを耳に当てたままつくしは
テレビから流れる情報に顔をしかめた。

『あぁ、午後から緊急記者会見だ』

「……そっか。忙しいのにごめんね」

『何でお前が謝るんだよ。迎え寄越すから
お前今からこっち来い』

「え?でもアタシも仕事が」

『相手はマスコミだぞ?家も会社も
バレてるに決まってんだろ』

司に言われて初めて気付いたつくしは
自室の窓から、そっと階下を見る

つくしに気付いた記者やカメラマンが
騒いで、大量のフラッシュが焚かれた

「どうしよ、あのフラッシュだけで
家が燃えそう」

『アホか、いくら木造でもそれはねぇよ。
てか、最低限のもんだけまとめとけ!!
どっちにしてもそこは危険だ』


つくしは電話の会話と言うことも忘れて
必死に頷くと出来るだけ地味な格好に着替えた








司から下に着いたと連絡が入り
つくしは帽子をかぶって外に出た


辺り1面を埋め尽くす記者とカメラマンに
黒塗りのBMWが囲まれていた。


どうやって、近づくのよ。

SPがマスコミを押さえてはいるが
つくしには近寄る勇気が出ない


その時、中からドアが開いて一人の男が降りてきた

突然開いたドアに近くにいたSPが
驚いている

「牧野!!早くしろ!!」

なんで、アンタが


御曹司が直々に迎えに来たぞ

ネタは本当だったんだ!!

撮れ、撮れ!!!2ショットだ!!


司の登場にマスコミ達の熱が更に上がる

「突っ立ってんじゃねえよ」

いつの前に目の前に来たのか
いっこうに階段から降りてこないつくしを
司が引っ張り階段を降りる



「ちょっと、早い!待って!!」

「あ?」

階段下で突然止まった司に驚き
それまでの勢いもあって、つくしの身体が
ふわっと浮いた


「わりぃ、大丈夫か?」


下に居た司がつくしを受け止めて、角度を
変えて彼女の顔を心配そうに覗きこむ

司の腕の中に飛び込む形になった
つくしはひたすらにパニックで必死に頷いた

「このまま、俺にくっついて顔隠してろ」

「ごめん………」

「安心しろ。お前の事は俺が守ってやる」

その言葉と抱かれた腕の力強さに
つくしは安心せずにはいられなかった



















「司、お前否定する気あったのか?」

部屋に入ってきた司にあきらが問い掛けた

「あの映像が全てを肯定してたろ
見ながら笑っちまったよ俺」

総二郎の言葉にあきらが頷いて
言葉を続けた

「司、牧野を受け止めた時に顔を傾けたろ?
キスしてるようにしか見えなかったぜ」

そう言って笑ってから

「あれも計算か?」と言うと

「あぁ」と短く返事する司を

「「ヒュー」」っと二人がからかう

「真実をわざわざ否定する必要ねぇからな」

司が言い切った。

「で、何も知らない牧野をどうするつもり?」


「お前はようやく捕まえた小鳥を態々
篭から逃がすのか?」


司が笑うこと無く類を見て言う


「お前が牧野をそんなに好きだとは
しらなかったぜ」

ピリピリとした空気を打破しようと
あきらが言った

「俺も気付いたのはNYに行ってからだったからな」

「お前そっからずっと牧野監視してたんか?」

総二郎が冗談ぽく笑って言うと

「悪いか?」

司の一言に3人は一瞬にして黙る



この話、やめようぜ

口に出さずとも4人は同じ事を考えていた。












「助かります!!」

「約束ですから」

一人の男が封筒の中身を覗きながら
ほっとしたような顔をする。


「これで、借金返せる」

「それは良かった」


司はつくしの"元恋人"に淡々と言葉を返す


しかし、運が良かった。
こんなデカイ会社の御曹司に恨まれてる女と
あのまま付き合っていったら
自分まで地獄行きだ


司には目の前で礼を述べる男の本心が
手に取るように解った

「申し訳ありません、次の予定がありますので」

司の雰囲気を察して西田が男を部屋から出した




「大体いつ頃消すんだ?」

隣の部屋に居たあきらが入ってくる

「あの手の奴は金を返しはしねぇだろうからな
勝手に自滅すんだろ」

「じゃあまぁ4,5日様子見るか」

あきらが笑って言う

あの男は元々ギャンブル好きで
かなりの借金を抱えていた。

しかし外面が良いせいで、周りからの評価が高く
お人好しなつくしは騙された。

ありきたりな親が病気で、と言う言葉に
つくしが騙されかける寸前で事情を知った

桜子からあきら相談があり調べた時には
既に手が打ってあった。

金をやる代わりに
あの女をこっぴどく振れ。

嘘の情報を伝えてつくしから
あの男を遠ざけた。

既婚者だと思わせたのは
つくしがあの男に未練を残さぬように

中々日本に戻れなかった司は
急ぎ仕事を切り上げ帰国すると

偶然を装いつくしと再会したと言うわけだ


司とあきらは扉の側に立つSPに視線をやる

「お前の演技見事だったよ」

「ありがとうございます」
彼はあの時車のドアの側に立っていた男だ

「何かやってたのか?」

「大学の頃、演劇サークルに」

「なるほど」と二人が笑う


彼のおかげでつくしはあのマスコミと
司がグルだと気付いていない。

『SPさん驚いてたよ』と車内で心配していたくらいだ。

しばらくすると、西田が彼を連れて
席を外した。

「牧野も少し考えりゃ気付きそうなもんだが」

「そこがアイツの良いとこだろうが」

あきらは苦笑してから再び親友を見た。


「なぁ、司」


「何だよ」


「お前、牧野に言い寄る男今まで何人消した?」


あきらが面白半分で聞いてみると

書類に目を通していた司が顔を上げた


「覚えてねえよ」


そう答えた司の目は笑っておらず
口角だけが微かに上がっていた。


あきらは聞いたことを後悔した。













「あ、道明寺お帰り」

司の所有するマンションの一室で
生活しているつくしが彼を出迎えた


「ただいま。何か変わったことは無かったか?」

「有るわけないでしょ?外に出てないのに。
新しい携帯ごめんね……知らない番号からたくさん掛かってきて流石に怖かった」

「気にすんな。これからは無闇に人に教えるなよ?」


司の言葉につくしが頷く

「それでね、アタシそろそろ出ていくよ」

「部屋が気に入らないのか?」

「そんなわけ無いでしょ!!
これ以上迷惑かけられないからよ
本当に、助かりました」

そう言って頭を下げるつくしを
司が冷たく見下ろす。


「牧野、今さら何言ってんだよ」


「え?」


司はつくしの前に立ち彼女を抱き締めた


「言ったろ?お前は俺が守るって」


そう、永遠に。









篭に囚われた彼女は一生知ることはない




元恋人の家族が偽物だと言うことも


あの日は最初から写真を撮らせるつもりで
わざとカウンター席に居たことも


マスコミに写真と彼女の住所を流したのが
彼だと言うことも


元恋人が幾日かすれば遠い海で浮かぶことも


彼女の携帯を変えさせる為無言電話を
掛け続けたのが
目の前の彼だと言うことも







彼女は永遠に知らない。











━━━━━━BLACKSECRET




fin
━━━━━━━━━━━━











にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村












関連記事
スポンサーサイト

6 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/11/27 (Tue) 21:22 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/11/27 (Tue) 21:46 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/11/27 (Tue) 23:05 | EDIT | REPLY |   
ch(つくしんぼ)

ch(つくしんぼ)  


た***様

全てが嘘?罠?

もう坊っちゃん、つくしを愛しすぎてます笑
こちらこそ読んで下さってありがとうございます( 〃▽〃)❤️
そんな風に言ってもらえると嬉しいです!!(///ω///)♪

2018/11/28 (Wed) 03:20 | EDIT | REPLY |   
ch(つくしんぼ)

ch(つくしんぼ)  

タイトルなし


く***様

アプローチだけなら
許されて?も付き合ったらアウトです
誰一人彼女に触れることが出来た男は
居ないことでしょう( 〃▽〃)←


激しすぎる愛に守られて
つくしは幸せになること間違いなしです(///ω///)

2018/11/28 (Wed) 03:23 | EDIT | REPLY |   
ch(つくしんぼ)

ch(つくしんぼ)  

タイトルなし



ス****様

つくしちゃんを手に入れる為なら
何のそのって奴ですよね(*´ω`*)
書き終えてからもっとこうすれば良かった
あーすれば良かったと思いました(^^;

ブラック司くん
もっと上手に書けるようになりたいです

F3のブラックな姿も見てみたいなー
と思う今日この頃です(///ω///)♪❤️

いつもありがとうございます!!
もっとポンポン書けるようになりたいです(´;ω;`)

2018/11/28 (Wed) 03:33 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment