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Limited lover3










「はぁ………」


厄介な男に関わってしまったかもしれない

朝、目覚めて一番最初に思った事はそれだった



「あー、本当誰だったかな」

というか、簡単に家にあげるなよアタシも

自分の軽率さに治まった頭痛が振り返してきそうで嫌になる。


いつものつくしなら
一番に相手に名前を聞く。


だけど、これっきりの相手だと
思っていたから気にしていなかった。


というか、関わりたくなかった。


「アイツも名乗らないし」


どっちかと言えば、非常識なのはあっちなんじゃないの?


にしても……妊娠、か。



「やめやめ、着替えよ」











あの時、エレベーターであの女に
キスした瞬間、自分を制御出来なくなった


キスでトロンとした目

はぁはぁっと呼吸を整える息遣い


『るい』

恐らく、男の名前をアイツは呼んだ


引き返すことも出来た。


だけど、俺はしなかった。


あの女が初めてだと解った瞬間


流石に不味いと思って辞めようかと思った


だが、


『やめないで……おねがい、かわりたいの』


相手は酔っぱらいだ。


解っていたのに


俺を見つめる黒い瞳に得体の知れない
何かを感じた。


司はあの夜の彼女を思い浮かべる


声を出すことを恥ずかしがり、強く噛み締めた
下唇を舐めて、少しだけ開いた唇の隙間に
舌を入れ絡ませた。


赤い顔をして、必死に俺について
来ようとする女が可愛かった。


「あーっ!!クソ!!イライラする」


「何かお悩みでも?」


「お前いつから居たんだ」


「最初から居りました」


「だったら何か言えよ……そう言えば、あの女の事何か解ったか?」


「好意を寄せている男性の数が社内外合わせて
ざっと30人です」


「はぁ?!あんな女がか!!!」


「現にあなた様も悩んで居られます」


「俺とそいつら一緒にしてんじゃねえぞ」


アイツの初めての男なんだ俺は
一緒にされてたまるかよ


「………身体から始まる恋はマイナスでは?」


西田の言葉に司の声が低くなる


「何でだよ」


「相性が悪い。と、感じている可能性も」


司の米神に青筋が浮かぶ


「しかし、逆手にとって脅すという手段があります」



「お前、俺にそれを勧めてんのか」


優秀な秘書は頷く代わりに
眼鏡をクイッと直した。















「牧野ー!助かった、この資料、先方が
見やすいって誉めてたぞ」


真田がつくしを見て爽やかな笑顔を浮かべた


周りにいる女子社員が彼の笑顔にうっとりする中


つくしはかけていた眼鏡を少しずらしてから


「そりゃ良かった。
それより、今度からギリギリに
言うのやめてよね。」

全く表情を変えること無く
それだけ言うと、彼女は再びパソコンの
キーボードを叩く



「相変わらずお前には通用しねー」


「諦めなーユキムラ」

真田の肩に手を起きながら
御愁傷様。と眞子がからかう。


「その呼び方勘弁して下さいよ!
俺の名前は誠です」


真田が眞子に抗議している横で
つくしは気が付けばボーッとしていた



「先輩?」


桜子がつくしの顔をのぞきこむ


「あ、ごめん、何?」


「眞子先輩、牧野先輩に男が出来てます」


桜子の言葉に何人かの男性がバッと振り返る


「やっぱり……つくし!!白状しなさい」


「違っ!!桜子!アンタ、デタラメ言わないの!!」


「じゃあ、首についた"アザ"は何ですか?」


「はぁ?!そんなもの昨日鏡で見たときには……」


言ってからつくしはしまった!
と口を抑えた。



「マジかよ」


つくしを問い詰める女二人と
慌てる彼女を見ながら真田はショックを受けていた。








今年でアタシも26歳になる。

確かに、良いタイミングだったのかも知れない

「これかぁ………」

仕事帰りに寄った本屋で見つけた
経済紙の表紙を飾る男につくしは嫌と言うほど
見覚えがあった



そうだ、こいつ

「道明寺司」


高校時代、最も恐れられていた人物

最も、苦手として嫌っていた男


「そりゃ、妊娠気にするわ」

というか、良く忘れてたなアタシ

特に関わりが無かったとは言え
微かにでも普通覚えてそうなものだが


「興味なかったからかな」


うん、間違いない。





つくしは一冊手にとると
レジへと向かった。


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