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恋愛したい 19








「よく司が許したね」

書類を持って現れたつくしに
類はパソコンから視線を外すことなく
そんな言葉をかけた


「仕事ですから」

「それもそうか。これ、左が許可した書類
右はやり直し」


「かしこまりました。早急に対処いたします」


「よろしく」


類は一度もつくしを見ることなく会話を
終えると、彼女が部屋から出ていったのを見てから
ふぅーっと長めに息を吐く


「……司ってガリ勉タイプが好みだったんだ」

類が、恋愛漫画みたい。と思いながら1人でクスクス笑っていると、扉のノック音が聞こえて
少し慌てて顔を引き締めた。












「西田、牧野はいつ戻ってくる?」

「……最低でも1年は戻られないかと」

「1年?!ふざけんな!!」

「とにかく、大河原様の事が解決致しましたら
牧野さんも戻って来ますので」

「あの女の事こそ俺の知ったこっちゃねえっつうんだよ……まだ揉めてんのか?」

「はい、ですが時間の問題かと」

「ババアが間に入ったならすぐ片付くだろ」

何だって今さら…………

いつも当たり前のように居た人間が
そこに居ない。
それだけで、こんなに景色が変わるとは

思えばずっと前からアイツが好きだったのかも
しれないな。俺は………

司が自分の気持ちを再認識している頃





「ねぇ桜子さ」

お昼時、1人で食事しようとした
桜子の元に滋がやって来る

「気安く呼ばないでいただけますか?」

バッサリ切り捨てたのに
滋は「何で?桜子は桜子でしょ?」と話が通じない

「牧野さん、何で花沢物産に行っちゃったのかな」

「さぁ?何ででしょうね」

桜子は滋を軽く睨むが

「アタシ、牧野さんとあの男は付き合ってんのかと思ったけど違ったんだね」

「近々そうなる予定のはずです!!!」

思わずムキになってしまった桜子の迫力に
圧倒された滋は「そ、そうなんだ」と言うしかなかった










花沢専務は副社長とは違った意味で扱い辛い

仕事がとんでもなく早く終わるかわりに
気を抜いたらすぐに眠ってしまう。

これを起こすのに一苦労だ。

起こし方を間違えると
その日は1日中不機嫌だったりする

「何でこんな気難しいのばっかり」


副社長も最初はそうだった

近寄りがたいオーラが出ていて

第2秘書として付いた当初は仕事やりづらいな
と感じていた。

西田さんに頼まれて書類を持っていけば
それだけで睨まれる

一度、タイミングを誤って手が触れた時に
すっごい嫌そうな顔されて思わず

腹が立つから目の前でハンカチで
手を拭いてやったんだっけ

たかが、此れごときで睨んでんじゃねーよ
お前なんか嫌いだバーカって内心

あんなに悪態ついてたのに


気が付けば副社長の事ばかり考えてる
今の自分に苦笑する。


「本日の業務はこれで終了になります。
お疲れ様でした」

そう言って花沢専務に軽く頭を下げると

「……お腹すいた。」

「晩御飯には良い時間だと思います」

「うん、あんた付き合って」

「へ?」

「早く」

有無も言わさぬ言い方に
つくしはこれも仕事だと言い聞かせて
会社を出た。









何がどうなってこの状況に


「花沢さんと牧野さんに会えるなんて
びっくり!!ねぇプライベートはつくしって
呼んでも良い?」

「はい、大丈夫です」

「アタシのことも滋って呼んでね!!」

「いや、そう言うわけには」

「うるせぇぞサル。黙って食え」

「良いじゃん"司"!!こんな葬式みたいな
雰囲気でご飯食べても美味しくないもん」

ね?つくしと笑いかけてくる滋に
つくしはそうですねと必死に笑顔を作る

"司"ね……何よ、ちゃっかり良い雰囲気に
なってんじゃない。


「つくし、これ美味しいよ」

「へ?花沢専務?」

類の突然のつくし呼びに司は一気に不機嫌になる

「初日でやけに仲良くなったんだな」

トゲのある言い方をされ、ムッとする

「花沢専務は誰かさんみたいに睨んできませんから」

「ほーそれで誘われてノコノコついて来たのか」

「な?!何で副社長にそんな言い方されなきゃ
いけないんですか!!」

「図星だからキレてんだろうが」

「~っ!!!アタシがどうしようと関係ないじゃないですか!!!」

二人のやりとりに滋と類は肩を震わせて笑う

司の嫉妬、面白い

「つくし、皆に注目されてるよ」

類の一言につくしはハッとした後
辺りを見渡してから

「化粧直してきます!」

と言って席を立ってその場を離れた


「直すほどしっかり化粧してねぇくせに」

司の言葉にキッと睨むのも忘れずに


「言い過ぎ司」

「うるせえよ」

「男の嫉妬こわーい」

「黙れ。元はと言えばテメェのせいだろうが」

司が早めに仕事を終わらせて
つくしを迎えに行こうとすると滋が突然
リムジンに乗り込んできた

「匿って!!!」

「はぁ?!」

「例のアイツが居るの!!お願い!!」

「知るか!!テメェの家の車でさっさっと帰れ」

「嫌だよ!!まだ来てないんだもん!!」

「SPが居んだろうがよ!!とにかく出てけ」

「いーやーだー!!!!!」


一回あんたと食事してる姿を見たら
来なくなるかもと言われて

つくしを取り戻したい司が一回だぞと
了承した。

メープルに行く途中、類の家の車が見えて
そこから類にエスコートされてつくしが降りて来たので
この店で並んで食事していたという理由だ。

「大体さっきから馴れ馴れしいんだよ
司、司って俺はテメェの男じゃねえんだぞ」

「小さいなぁ……つくしに嫌われちゃうよ」

「あ?」

「既に嫌われてたりして」

「何だと類!!つか、お前も気安く名前呼んでんじゃねえよ!!」

「何で?別に良いじゃん」

「良くねーよ!!!急に色気づきやがって」

「副社長、うるさいです」

「あ?!誰に向かって口聞いてんだ!!」

「副社長にですが。何か?」

「つくし、そろそろ帰ろうか」

「そうですね」とつくしも頷く


「俺らもでるそ」

「はいはい」






「ごちそうさまでした。ありがとうございます」

「いいえ、そうだ、飲み足りないからさ
もう一軒付き合ってくれる?」

つくしがこのまま帰っても気まずいしと
頷こうとすると

「もうだめだ。門限過ぎてる」

司が自分の腕の中につくしを閉じ込めた

「は?門限?」

「司、ちなみに何時?」

「17時だ」

「あたしゃ小学生か!!」

「似たようなもんだろっ!!!さっさと帰るぞ!!」

「ちょっと!!痛っ!!!離せバカ力!!」

残された滋と類は二人の姿を見て
軽くハイタッチする

「この後どうする?」

「帰る。乗れば?仕方ないから送ってあげる」

「あはは、ありがとう」



こうして、つくしの花沢物産への初出勤が
無事?終わった。

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2 Comments

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2018/11/10 (Sat) 12:40 | EDIT | REPLY |   

ch(つくしんぼ)  


ス***様


司くん寂しがってます(^^;

2回目の再会が職場でまだまだ
つくしちゃんという人間に手探り状態です( 〃▽〃)


楓さんが認めてるとは知らないつくしちゃんの
葛藤は続きます(´;ω;`)

滋さん、何でこんなに距離が近いんでしょう?(-_-;)
桜子が警戒してる間は容易に近付けません!!

西田さんも頑張ってもらいましょう!!

2018/11/11 (Sun) 06:46 | EDIT | REPLY |   

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