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Revival 31(完)








━━━━━━━━━━━━





「いっ……てぇ………」

司はゆっくりと目を開けた

「んっ………」

「誰だ?」

隣から聞こえた人の声に
一瞬にして意識が覚醒する

「道、明寺………?」

「牧野?!」

つくしは掌を片目に当てて
身体を起こす

「どうなってんの……」

黒い遮光カーテンで外が見えないように覆われた
部屋に二人は連れてこられていた。

「……はぁ」

つくしのため息に司は不安になる

「俺と居ると嫌な事ばっかりとか
思うか?」

「何それ、出会った時から嫌な事しか
ないでしょ」

「は?!お前は俺との出会いが最悪だってのか!?」

「いきなり怒鳴らないでよ。最悪"だった"かな。今は違う」

「意味わかんねえ」

「………何かさ、変わったよね。あんたもアタシも」

「そうか?まぁ、俺はますます良い男になった」

「否定できないから余計にムカつく」

「お前はあんま変わったように見えねーけど」

「何で胸見ながら言うわけ?!
そういう事じゃなくてさ……こう、ね」

「何が言いたいんだよ」

「アタシこのまま結婚して良いのかな」

「今さら迷ってんのか…?」

お互い部屋が暗く相手の表情が見えない

「アタシ今の道明寺を知らないし……
同棲してた女の人のことも気になるし…」

「あ?何だよその同棲って」

「NYで彼女いたんじゃないの?」

「お前、ババアの言ったこと信じてんのかよ」

声のする方を頼りに司はつくしを探す

「………アタシだって少しNYに居たから
向こうの女の子がボンっ!キュッボンっ!で
魅力的なのは解ってるし」

妙にボンっを強調する辺りにつくしがコンプレックスを持っている部分なんだと解る

「で?」

「いや、で……って……それにデートする時間もないしお互い何も知らないまま」

「もう離れないって言葉は嘘だったのかよ」

「………違う。だけど……このまま結婚しても」

好きだとか言われた訳じゃないし……

「なんだよ、そんな事か」

つくしは耳元で聞こえた司の声にびっくりする

「この暗闇で良く動けるね」

「……お前を捕まえなきゃいけねーからな」

「……何それ、あたしゃ野性動物か」

「似たようなもんだろ。捕まえたとおもったら
砂みたいに俺の手をすり抜けてく。」

「……」

「俺が他の女に惚れたとか、抱いたとか
マジで思ってるんだったらお前頭の中病院で
見てもらえ。」

「は?」

こいつ凄い失礼なんですけど

「要は、俺とイチャイチャしてぇんだろ?」

「ちょっと待って!それは違う!アタシは恋とか愛とかそういう感情が昔と今で違うって言いたいの」

「それこそ訳わかんねえよ。お前日本語喋れ」

「……思いっきり日本語なんですけど」


「今好きだって思う気持ちだけじゃダメなのかよ」

「…………それは」


「確かにお前は俺の事解ってねえのかもな」

司の言葉につくしの胸がズキッと痛む

「8年前と変わらず愛してる
いや、今はもっとだな」

ギュッと彼女を抱き締める腕に力を入れる

「道明寺…」

「イカれてるからな。お前に」

「…………だけど」

「お前はどうなんだよ?」

「アタシだって……好き、だけど………」

「………もうあれこれ考えるの辞めようぜ。
特にお前の場合ろくな結論出さねーし」

「なっ?!」

「黙って俺に愛されてろ」

「な、なにその俺様発言」

「俺様何だから仕方ねーだろ」

つくしが抗議しようと開いた口は
司の唇によって塞がれた

キスから伝わってくる
彼からの愛………

次第に深くなるキスにつくしは
司の首に腕を回して応える


「安心しろ。変わってない俺ら」

暗闇に目がなれて司が嬉しそうに
笑っているのが見えた

「お前、キス下手なまんま。まぁ、上手くなってたら許さねえけど」

「何それ!!どういう意味……」

「相手の男見付けだして殺す。」

「………ホントだ、アンタも変わってないわ」

「だろ?仕事落ち着いたらデートしようぜ。」

「庶民デートやり直す?」

「げ、マジかよ………勘弁してくれ」

「道明寺」

司の胸に頬を寄せて、彼の心臓の音を聴く

「おかえりなさい」

「………ただいま、牧野」

どちらからともなく唇を合わせて
司がつくしを押し倒した

「俺が抱きたい女はお前だけだ」

「……してないの?」

「俺は浮気しない。お前まさか、したことあんのかよ?!」

「ないよ!!無いから怖いんじゃん……でも、大丈夫……アンタが欲しい」


つくしも司もお互い顔が真っ赤なのが解る

ガキかよ……そう思いながら、彼女の頬に手を当て
親指で目の下から頬にかけて優しく撫でる

そして、もう一度唇を合わせようとした瞬間




「"ばっ押すな!"」

「"ニッシー屈んでよ!"」

「"滋さん声が大きいです!"」

「"じれってえな!何やってんだよアイツら"」




「どうやら、犯人のお出ましのようだな」

「そうね。落とし前はつけさせなきゃ。」

二人は起き上がりベッドを降りて
扉に近づく


「アンタどっち相手にする?」

「総二郎」

「オッケー。美作さんは任せて」

「女共はどうする?」

「……また後で考える」

「とりあえず今はこっちだな」

そう言って司は扉を開けた

「お前ら、ムショとあの世、行きたい方選べ」

「き、奇遇だな、司」

「苦しまずに送ったげるわ美作さん」

「落ち着け、な、牧野?」

「滋さん、桜子、今なら見のがしたげる」

「ニッシーあきらくん!!後よろしく」

「来世で再会しましょう!」

「ズルいぞお前ら!!!!」

「桜子!さらっと殺すなっっ!!!」


「言い残すことはそれだけか?」

司の言葉を合図に二人はバキッと拳を鳴らす

アワアワアワと震える二人の悲鳴が東屋から
響いた

「「ぎゃああああああっ」」




類は失敗したなと思いながら
離れて座る実里に声をかける

「アンタはいいの?行かなくて」

「好きな人のラブシーンなんか見たくありません」

「……なるほどね。牧野のこと怒ってる?」

「………嘘さえ愛しい程に惚れてたから
今は苦しいけど必ず平気になるときが
来ると信じています」

そう言って笑ってから、実里は
もう帰りますと言って出ていった。


実里が美作邸を出ると

桜子と滋が立っていた

「何……?」

「私たちの柔らかーい胸貸してあげる」

「仕方ないですから、泣かせてあげます」

「なにそれ」

「つくしの事、支えてくれてありがとう」

「私からもお礼を言います」

「やだなぁ………泣きたくなかったのに」

実里はこの時失恋してから初めて泣いた。






類の元にあきらと総二郎が転がり込んでくる

「助けてくれ!!類!!」

「やだ、自業自得だろ」

「んな、冷たいこというなよ!うわっ来た!!!」


「「大人しく殴られろっっ」」


変わらぬ二人に、仲間達は思わず笑う


「花沢類!連帯責任よ!」

「牧野横暴だよ。」

「類、何言ってんだよ?
こいつが狂暴なのは昔からだろ」

「はぁ?!狂ったように暴れるのはアンタだろ
道明寺!!!!」

「あぁ!?テメ、喧嘩売ってんのか!!!!」

「はぁ!!先に売ったのはアンタでしょうが!!」


「上等じゃねえかっ!!!!!」

「それはこっちのセリフだ!!」



「成長してねえな、こいつら」

「良い意味でね」

類が言うと、総二郎とあきらも頷き笑いあった



篠田と宮本はパソコンの表示を見ながら
ため息をついた

「何が悲しくて妹分のラブシーン聞かなきゃなんねえんだよ。」

「高性能過ぎるGPSも考えものだな」

「御曹司に要相談だな」

「あぁ。しかしまぁ良かった……おめでとうつくし」

「けっ。足手まといがいなくなって清々するぜ」

「素直じゃないなお前は」









8年前、引き裂かれた恋人達の恋が
愛となり復活を遂げた

それは同時に仲間との絆も更に強くする。

誰もが叶わないと諦めた恋だった

雲をつかむような願いだった

たった一つの願いは奇跡を起こした。


あの日、彼女がネックレスにしたい
サイズだと言った土星は今も変わらず
彼女の首元で光を放ち続けている。


何度無くしても戻ってきたそれは
奪われ続けて尚、愛を見失わなかった
二人の絆の証だ。




真っ白なドレスに身を包んだ彼女が
彼の腕に手を添える


「何か、恥ずかしいね」

「はぁ?お前、今さら何いってんだよ」

「しょ、しょうがないでしょ!」

今にも喧嘩しそうな二人をスタッフが
心配そうに見つめる

「あ、すみません…………」

「それでは、開けますね」

ニコッと笑った女性スタッフに
つくしが頷き返した



白の重厚な扉が開いたその先に
雲一つない空が広がる


あの時、別々の道を選んだ二人が
同じ未来(あす)へと向かって
新たな一歩を踏み出していく



「「「おめでとう!!!」」」

「ありがとう!!」

「「「「つくしー綺麗だよおおっっ!!」」」」

「恥ずかしい……へへ」


「実里さん、何持ってるんですか?」

「衣装合わせに押し掛けて撮って貰った
時のやつキーホルダーにしたの」

「なにそれ!アタシも欲しい!」

「アタシも!!」

「もちろん私も要ります」

「注文しとくね」

「優紀、何話してんだ?」

「ん?この写真」

「お前らなぁ……司にバレるなよ」

「あんたら本当に怖いもの知らずだよね」



仲間達は寄り添い歩いていく二人を見つめて
皆、同じ気持ちで笑顔を浮かべ
その背を見送った。


ここまでの話はこの二人の
長い人生の一部でしかない。

けれどきっと二人なら大丈夫

たくさんの仲間に支えられて
試練を乗り越えて行くだろう


そしてその時には二人の愛の証が
増えているに違いない。




Revival
━━奪われた恋を復活させろ━━



fin






━━━━━━━━━━━━━━━













黒薔薇作戦でした(*´∇`*)←

原作であきらと総二郎が
つくしを珍しい黒薔薇が咲いてんだよと
あの東屋に誘導したので

黒薔薇作戦と勝手に命名しました(^^;


長い間お付き合い頂きありがとうございました






















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4 Comments

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/10/21 (Sun) 02:19 | EDIT | REPLY |   

ch(つくしんぼ)  

タイトルなし


A****様

ありがとうございます(´;ω;`)
笑ってもらえて何よりです!!
最高の誉め言葉です(´;ω;`)‼️

どんなキーホルダー持ってるんでしょうね?(*´∇`*)
私も欲しい!←

最後詰め込んだのでorz

ルリさああああんですよ、本当に………

お話、更新楽しみに待ってます!
私は未完作品と番外編の宿題が…………😨

お互い頑張りましょう(´;ω;`)

2018/10/21 (Sun) 02:49 | EDIT | REPLY |   

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/10/21 (Sun) 11:12 | EDIT | REPLY |   

ch(つくしんぼ)  

タイトルなし



ス*******様


流石です!!(*´∇`*)✨

最後の最後でやっぱりやります
お祭りコンビです笑( ・`д・´)

スリーさん鋭すぎます!私の頭の中が見えてたりしますか……?←笑

耳元で囁かれたもんだから
心配してた二人は一気に脱力した事でしょう笑

あのコラボはもう完全な趣味なので(*´∇`*)
アニメ自体も元ネタが解らないと
楽しめなかったりしますし(^^;

だから、気になさらないで下さい
読んでくださっただけで(´;ω;`)感謝です


次のお話……どうしましょうかね……

鬼畜な坊っちゃんを書いてみたいですか
連載となると私には不可能・゜・(つД`)・゜・

とらぶるめーかーを書きつつ考えます(*´∇`*)




おぉ!!めぞん!!!

そ、それは確かに悔しいですね(´;ω;`)
私はパソコンに詳しくないので(スマートフォンで書いてます)何のお力にもなれず………orz

2018/10/21 (Sun) 14:42 | EDIT | REPLY |   

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