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Revival 22











ガチャン


つくしは隣から聞こえてきた
物音に目が覚めた。


今何時だろ?

枕元に置いたスマホに手を伸ばす

一気に明るくなり、寝起きの目にこの光は辛い


24時………まさかね


それでも何となく気になった
つくしはカーディガンを羽織って
外に出た。


隣の部屋から漏れる明かりに

手ぶらだけど挨拶だけでもと
部屋の扉をノックする


懐かしいな……あの時は進と二人で
挨拶に行ったら

道明寺が出てきたんだっけ

風呂がねーって言って

つくしが思いだし笑いをしていると
目の前の扉が開いた


「夜分にすみません、隣のも……」

「アホ、こんな時間に男の家に来てんじゃ
ねーよ」


「あんた……何で……」


「このアパート、あの時のだろ?」

偶然にも宮本が見付けて来たのは
あの時、司とつくしが一瞬だけ同じ世界にいた
あのアパート


「………うん」

「昼間来たときはお前風呂無しに住むのが
趣味なのかとか思ったけど……部屋の中入って気付いた」

そう言って司は優しく笑うと
つくしを抱き寄せた


「ごめんな。一人にして……」

「………アンタのせいじゃないから」

「ババアの事は何とかする。もうあん時の
ガキで無力だった俺じゃない。
今度は、守り方を間違えない」

抱き締める腕に力を込める

だが、つくしはそれに応える事なく
両手を強く握りしめた


「………アンタじゃないみたい」

そう言って自分の気持ちを
悟られないようにする


彼女の不安な気持ちを全て取り除けない
自分が不甲斐ない。

だから、抱き締めてくれとは言わない


司はわざと話題を変えた

「てか、お前アイツらと一部屋で寝てんのかよ」

ムッとしながら言うと

「そりゃ部屋がないからね。
けど、アタシだけベッド買ってくれた」

篠田さんのポケットマネーで


「意味ねえだろそんなん。
お前今日からこっちで寝ろよ」

「はぁ?!」

司の提案に予想以上に大きな声が出たつくしは
ここが外だと言うことを思いだし
とっさに口元に手を当てた。


「わりぃ……入れよ」

「変なことしないでよ」

「いやだ」

「!!」

「好きな女と二人きりで
何もしねーとか男じゃねえよ」


ニヤリと意味深な笑みを浮かべた司から
つくしが距離をとる


「うわ、ひでー女」

「うっさい!!あ、スーツとか色々ありがとう」

「気にするな。火事じゃしょうがない。後平成期はどうした」

「変声機ね。デスクにあった予備を野上さんに持って来て貰った。あ、後西田さんから高級岩塩貰った」

「岩塩?」

「うん、調味料無かったから
助かっちゃった!けど何で塩だったんだろう」

「さぁ……」


二人して首を傾げながら

その日の夜、いつかと同じように
添い寝して眠った。


「ふざけんな……寝れるわけねえだろっ!!」


司以外は……………


━━━━━━━━━━━━━━━━




西田はちょっとウキウキしていた。

つくしの母が司の母楓に頭から
塩をかけた時にはどれ程驚いたか

二人を堂々と応援してあげたい。

社長の目がどれだけ誤魔化せるかは
解らないが……
出来る限りの事をしてやりたいと
思っていた。






だが、そこはつくし。


「西田さん岩塩助かりました!!」

「……それは良かったです」

「色々ありがとうございます!!」

そう言って頭を下げたつくしは
全く気付いて居なかった。





滋は楓の目を騙すために定期的に
司の元を訪れていた。

実里は滋を案内しながらイライラしていた。


恋人が大変なときに……こんなのあんまりだわ


実里が秘書課に戻ると
吉川がお茶の用意をしている所で………

それが酷く辛そうに見えた


「吉川!!それ、私が持ってく!!」

「へ?大丈夫だよ」

「無理しないで……アンタの辛い顔
あたし、見たくないから」


そう言って実里はお盆を持って行ってしまった


残された吉川は考える

「寝不足のせいかな………」






「司、目のクマ凄いよ?」

滋が顔を覗き込む

「ちょっとな」

そこにノック音が聞こえ
司は「入れ」と返事をする

入ってきた実里は滋と司の距離の近さに
カッとなる

酷い、サイテー、あり得ない

吉川は……吉川は………!!!!

「あの、大丈夫……?」

固まったままの実里に
滋が近付いた。確か……つくしの事が
好きな子だよね?

「副社長」

「何だ」

めんどくせえな……
だから、女の秘書は嫌なんだ


「吉川と別れてください。
アタシは彼が好きです」


滋が「わぉ!」と呟く



「滋、席を外せ」

「聞かれたら不味いんですか?」

実里は司に負けないように睨み返す

「お前は自分が何をやってるか解ってんのか?」

「わかってます。副社長と吉川の関係も」

そこまで聞いて司は目を見開く

牧野の正体がバレてんのか?

「お前、どこまで知ってる」

「副社長が大河原の令嬢と吉川を二股してるのはわかってます!!」

その言葉に司がカッとなり、気付いた滋が
止めに入る

「二人とも落ち着いて!!」

「吉川が可哀想よ!!!好きな人のこんな姿見せつけられて!!!男同士だからって気持ちを踏みにじっていい事にはならないはずです!!」

「………は?」

「副社長の性癖はご自由ですけど!吉川は解放してください!!!お二人は結婚出来ないんだから!」

滋は肩を震わせて笑うのを我慢する

「………ちょっと待て」

「何ですか?」

実里は片目に手を当てて悩む司の姿に
顔をしかめる

「……俺らは結婚出来るんだよ」

「……海外に行くんですか?」

「いや、国内で」

……………実里はしばしの沈黙の後言った


「それって………どっちかが女性という?」

これは不味いと司が言う

「…性転換とか色々あるだろ」

「吉川ばっかり可哀想です!!副社長がなされば良いじゃないですか!!!」

「あぁ?!俺がしたら本当に結婚出来なくなっちまうだろうが!!!!」

そこまで司が言った所で

「会議が長引いてしまいました」

そう言って西田が入ってきた。

「野上さん、副社長に謝罪を」

西田の声音は厳しく
実里は不服ながらも

「申し訳ありません」と頭を下げた

「て「良いの!!良いの!!あなた凄い
面白い!ここ辞めたらうちにおいでね!!」

司の言葉を遮り滋がそう言うと

「大丈夫です。何かやられても
彼の為なら何を失っても構いませんから」


最後の実里の言葉は司の心臓を抉った

俺だってアイツのためならそう思うのに……
アイツはそれを許してくれない


滋や西田は司の辛そうな顔に胸を痛める

吉川の方が辛いに決まってるわ……

アンタのとこの何か行くもんか
実里は一瞬鋭く滋を睨んでから

扉の前で一礼して執務室から出ていった。






「なんだこの敗北感」

「……司もさ、高校生の頃はあんな感じだったよね……あの子、本気で好きなんだ」

滋は実里が出ていった扉を見つめながら
静かに呟いた。




副社長室の前で立ち止まり実里は考える



俺が性転換したら結婚出来なくなるって何?

国内で結婚………?

大河原のご令嬢は私と副社長の話を聞いて
笑ってたし………


そこで実里はハッとする。

「……まさか…」





「野上さん……目、どうしたの?」

吉川は実里の赤く泣きはらした目を見る


そう言えば、お茶を持っていってから
しばらく帰って来なかった……
戻ってきたらこの状態

まさか道明寺が泣かせた?

「うっ……」

自分の顔を見てまた泣き出した
実里を見て、吉川は彼女の腕を掴んだ


「来て」

ヒックヒックと泣く実里を見ながら

アイツ絶対殴ってやるとつくしは思っていた

途中の自動販売機で温かいミルクティーを買ってから
二人は屋上の一角にあるベンチに座る



「何があったの?」

実里の背中をさすってやりながら
優しく問いかける

「あたし、副社長に酷いこと言っちゃった…」

「……副社長に?言われたんじゃなくて?」

実里はうん、言ったのと小さく呟く

「あたし、副社長と吉川の秘密が解ったの!!」

「……え」

まさか………あたしの正体が

「女性なんでしょ?」

「ごめん、騙すつもりじゃ無かったんだ」

「良いの。言いふらせる事じゃないもの」

野上さん…………

吉川が実里を向いて頭を下げようとした瞬間


「副社長って女性なんでしょ?」


何だか解らないけど
つくしの中で新しい風が吹いた


「え、今、なんて……?」

実里は辺りをキョロキョロ見てから
もう一度言う

「だから、副社長って女性なんでしょ!」

この子は何を言ってるんだ……?

「おかしいと思ってたのよ……女性が嫌いなのはきっとコンプレックスを刺激されるからだったのね……二人続けて女だったから一人は男として
育てるなんて…えげつないわね、道明寺財閥」


いや、アンタの考えもえげつないよ

「大河原のご令嬢は?」

「カモフラージュね!!二人は幼馴染か親友なのよ!あのF4のメンバーも知ってたのね」

実里は一人うんうん頷きながら
話を進める

「……そんな、辛い中で吉川に出会ったのね副社長は……世間に公表するわけにいかない
真実………だけど貫きたい愛!!!!あたし、感動した!!」


当たってるような、当たってないような……

「そうと解ったら副社長にも謝らなきゃ!!」

「待った!!!」

吉川は実里の腕を掴みそれを止める

「俺が、女って線はない?」

実里の目を真っ直ぐ見つめて言う

「え………」

一瞬だけ、実里の瞳の奥が揺らぐ

「やだー!!!!冗談キッツい!!!」

「………」

「じゃ!あたし先行くね!!」

「え、あ……うん」

「応援するから!!!絶対!負けちゃダメだよ!人から何を言われようとお互いの気持ちだけが真実なんだから!!」

「………野上さん」

「気持ちで負けたら、勝てるものも勝てないからね!!!吉川は最高の男なんだから自信持って!!!」


「………ありがとう」




吉川がそう言うと実里は笑って屋上を出ていった







━━━━━━━━━━━━━━━━





とんでもない勘違いが産まれた瞬間













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2 Comments

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2018/10/12 (Fri) 08:32 | EDIT | REPLY |   

ch(つくしんぼ)  

タイトルなし


ス******様

思い出を散りばめて
つくしちゃんとの距離が……と思いましたが
なかなか手強い(^^;

坊っちゃんが許すはずないです!!


ふっふっふっ(*´ω`*)
笑って頂けましたか?

新しい風が吹いたって使いたかった
だけですが笑

スリーさん毎回、エスパー!!!って思うくらい
しっかり読んで下さってるのでありがたいです(*´ω`*)

吉川にベタぼれの実里を見て
坊っちゃん敗北感じてしまいましたしね(-_-;)
そろそろ暴走モード……?いやいや多分まだ………


好きな人が同性だとは思いたくない
乙女心です笑
もうちょっと暴走してもらいますか?(*´ω`*)

まさに、どうしてそうなった!!と突っ込みたくなりますよね(*´∇`*)

ありがとうございます!
誰も書いてない設定なら尚更良いんですが(^^;

はい!!有り難くも繋いで頂きました!
ありがとうございます(*´∇`*)!

2018/10/12 (Fri) 11:06 | EDIT | REPLY |   

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